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現代文明がミネラル欠乏体質を生む

現代文明がミネラル欠乏体質を生む yasirushiyoko01.gif 環境汚染がミネラル不足を招く 
yasirushiyoko01.gif ミネラルバランスの崩れた水道水 
yasirushiyoko01.gif 自然のバランスがミネラルの供給源
yasirushiyoko01.gif 土壌汚染がミネラル欠乏に直結 
yasirushiyoko01.gif 健康問題は農業問題 
yasirushiyoko01.gif ミネラルはおいしさと健康の元 
yasirushiyoko01.gif 早急に望まれる農業の軌道修正 

環境汚染がミネラル不足を招く

 「水と空気はタダ」であると思いこんできたのが私たち日本人ですが、環境汚染という現実に直面した結果、私たちの生活は大きく変化しました。
 昭和三十年代に高度経済成長政策が始まるまでは、豊富な井戸水を直接のみ、生野菜をそのまま平気で食べていました。
 浄水器や空気清浄機などが必要になるなどとは、誰も思っていませんでした。
 しかし、化石燃料の大量使用によって、大気中にはおびただしい窒素酸化物が浮遊するようになり、さらに農薬の使用によって土壌が汚染され、その結果飲料水にもさまざまな化学物質が入り込んでいます。「水と空気はタダ」どころか、私たちはそのツケを支払わせられることになってしまったのです。
 汚染された空気と、危ない土壌で作られた農作物は、私たちの体をむしばみ、かけがえのない健康に深刻な影響を与えています。
 こうした土壌で作られた農作物は、家畜にも与えられ、その肉も私たちの食卓に上がっています。また養殖魚の病気を防ぐための薬剤も大量に使用され、さらにスーパーマーケットで売られる食品にはさまざまな防腐剤が添付されています。

  

ミネラルバランスの崩れた水道水

 水道水の水源も汚染され、塩素によって消毒されてミネラル・バランスが破壊された状態で、家庭に届きます。
 現在の私たちは、空気洗浄機を付けた部屋で過ごし、ペットボトルの水を購入して飲むようになってしまいました。野菜もコメも産地を確かめて、農薬の残留濃度を心配しながら生活しなければならなくなってしまいました。
 土を使わない農業技術によって、さまざまな野菜が作られています。こうした野菜にはちゃんと本来のミネラルが含まれているのでしょうか。
 昔のようなコクのある味はなくなり、見栄えだけの、栄養素もミネラルも含まれていない食べ物になっているかもしれないのです。ことによったら有害な残留農薬が、たっぷりと含まれているかもしれないのです。
 私たちの健康を守るための炭水化物、タンパク質、脂肪、ビタミン、それにミネラルを加えたものを五大栄養素と言います。
 私たちの体は飲食によって、これらの自然にバランスよく取り入れて、身体を成長させ維持してきました。今では、このバランスが崩れてしまったために、何らかの自衛処置を執らなければならないところまで、追いつめられてしまったのです。特にミネラルについては、悲惨な状態です。

 水道水について考えてみましょう。生活排水や工場排水で汚染された川や湖の水は、当然そのままでは飲めません。身体に害があると思われる不純物を取り除くことになります。
 ゴミを取りのぞき、化学物質を除去しなければなりません。特にヒ素や鉛、カドミウム、六価クロム、水銀などの毒性を持った金属を確実に取りのぞかなければ、飲料水として供給することはできません。
 有機物質に対しては、生物処理や塩素処理を施します。病原菌などの微生物も塩素処理によって殺菌されます。
 水源にこれらの毒性を持つ重金属や病原菌が含まれないようにすればいいのですが、安全な水源はどんどん少なくなっています。
 塩素は、食塩水を電解して工業的に作られるものです。空気よりも重く、ほかの元素と化合しやすく、酸化力が強いという特徴があります。また酸化剤、漂白剤、消毒剤などにも広く使用されています。

 処理された水は、一応は飲用可能な水となりますが、塩素によって処理される過程で、ミネラルの一部も取りのぞかれてしまうのです。

 味覚に働きかけて美味しさを感じさせてくれるミネラルの含有量のバランスを崩し、さらには塩素臭が清涼感を与えてくれる酸素の味を台なしにしています。

  

自然のバランスがミネラルの供給源

 自然のままの土壌や水中には、人体の生理作用に必要なカルシウム、鉄、亜鉛、コバルト、マンガンなどの多くの種類の微量ミネラルが含まれています。
 しかし、土壌の中のミネラルは、イオン化されて水に溶けていないと、植物は吸収できないのです。それに対して、微生物にある有機ミネラルの吸収は容易です。
 私たちはこれらのミネラルを、植物を通じて体内に吸収してます。あるいは植物を餌として育った家畜や魚、野生動物を経由して吸収します。
 その大切な供給源である水や土壌が汚染されることで、土壌からミネラルを吸収利用する微生物が死滅して、片寄った微生物相になってしまったのですから、ことは重大です。
 水は、家庭や工場などを経由して、海に流れ込みます。その過程で、テンプラ油、洗剤、漂白剤、機械の洗浄剤、添加物など、ありとあらゆる汚染物質と化学物質が混入されて、ふたたび地球上を循環します。膨大な量の汚染物質が、確実に蓄積されつづけているのです。
 それを除去するために、新たな薬品が開発され、さらに別の種類の自然破壊活動を招くといった、果てしない繰り返しが続いています。

  
 

土壌汚染がミネラル欠乏に直結

 農薬夜土壌の汚染は、さらに深刻な社会問題になっています。微生物の減少は、ミネラルの欠乏に直結します。
 人間の存在に必要なミネラルを供給してくれる植物は、土からその栄養分を吸収します。植物には炭酸ガスと水と太陽光線だけがあればいいというわけではありません。植物の遺伝子は、ミネラルを必要とします。さらに植物の生命を支えるタンパク質は、ミネラルを触媒にしなければ生成されません。
 植物は、根の先から根酸を出して土を溶かし、その中に含まれているミネラルを吸い上げて、葉に送り込みます。そこではじめて、光合成が可能になるのです。またミネラルがイオン化されて水に溶けていれば、すぐに吸い上げることができます。
 葉緑素にとって、マグネシウムはその中心となるミネラルです。植物は葉緑素の構成の中心にマグネシウムがあるために、緑色をしています。マグネシウムが欠乏すると葉緑素が減少して黄色くなり、光合成が衰えて糖類やデンプンが少なくなります。またマグネシウムは植物の酵素を活性化する触媒の働きもします。さらにリン酸吸収・運搬を助けます。植物にリン酸を十分に施してもマグネシウムが不足すると吸収が悪くなり、植物はうまく生長することができません。


 以前は、人糞や堆肥などの有機肥料を使用していましたから、ミネラルが合理的に循環していたのです。ところが化学肥料は、植物の三大栄養素である窒素、リン酸、カリウムを配合したものが大部分です。
 しかし、今お話ししたマグネシウムのようなミネラルが入っていないと、植物はバランスとのとれた成長が出来なくなってしまうのです。
 その上、殺虫剤や殺菌剤、除草剤、植物成長剤から殺鼠剤、その他さまざまな農薬が使われるようになり、生態系の物質循環に重要な働きをする微生物が殺されています。微生物の体内にはたっぷりとミネラルが含まれており、植物の成長に必要なミネラル・バランスを作り出すのです。その微生物が死んでしまえば、農作物はミネラルが欠乏した空っぽの作物になってしまいます。


 農作物を経済効率に基づいて大量生産するためには、それに見合った量の化学肥料を投入しなければなりません。また、大量の農薬を散布しなければなりません。店頭に並べられている農作物は、いかにもきれいで美味しそうですが、炭水化物もタンパク質も、脂肪もビタミンも、ミネラルも不足した欠陥商品なのです。特に、微量元素のミネラルは、無いのと同じといってもよいほどの欠陥商品なのです。

  

健康問題は農業問題

 ミネラルを含んでいない野菜や果物をいくら食べても、身体のためにならないばかりか、残留農薬によって病気にされてしまう危険性さえ含んでいます。
 人類は食糧確保のために、農業技術を最優先して開発してきました。品種を改良し、窒素、リン酸、カリウムを人工的に与えて育てる無機農法を開発し、最近では遺伝子組み換え作物まで作りだしています。
 この、大量生産、大量供給の必要に迫られ、良かれと信じてきた近代農法には、実は大きな落とし穴があったのです。結果的に、先進国の人々に現代病をまん延させる原因を作ってしまったのです。


 私たちが食べている野菜、穀物、その穀物を食べている家畜の肉に、微量元素がほとんど含まれなくなったという実態を、世界中の科学者が気付かなかったために、悲劇が起こっているのです。日本だけで、毎年60万人以上の人たちが、農業政策の間違いのために死んでいると言っても過言ではありません。

 私たちは、効率的な社会を作りあげ、作物自体の遺伝子を使わないで実らせたり、葉を茂らせたりする無機農法の技術を開発して、ミネラル不足の農産物を大量に作り出すという大きな過ちを犯してしまったのです。

  
 

ミネラルはおいしさと健康の元

 美味しい野菜には、うま味の要素のバロメータであるグルタミン酸、イノシン酸などのアミノ酸の量が関係しています。これらのアミノ酸の代謝にはミネラルが必要です。
 日本の近代農法によって、野菜に含まれるミネラルは極端に少なくなっています。つまり、アミノ酸を代謝できないうま味の失われた野菜になってしまっているのです。
 下の表は、科学技術庁が2001年に発表した五訂食品標準成分表によるものですが、1952年と2001年の30年間の野菜に含まれる栄養素を比較したものです。
 これを見るとほうれん草の場合は、この30年の間にビタミンAが約半分、ビタミンCが約四分の一、鉄分が約六分の一に減少していることがわかります。
 リンゴを見ると、ここの30年の間に鉄分がほぼ無くなっているというありさまです。


野菜の栄養調査
 栄養素1952年2001年52/01年
ほうれん草 ビタミンA
ビタミンC
鉄分
8000
150
13
4200
35
2.0
52.5%
23.3%
15.4%
ニンジン ビタミンA
ビタミンC
鉄分
13500
10
2
9100
4
0.2
67.4%
40.0%
10.0%
トマト ビタミンA
ビタミンC
鉄分
400
5
52
540
0.2
26
135%
4.0%
50.0%
ミカン ビタミンA
ビタミンC
鉄分
2000
29
2
35
17
0.1
1.7%
58.6%
5.0%
リンゴ ビタミンA
ビタミンC
鉄分
10
5
2
21
4
Tr
210%
80.0%
0%
科学技術庁 五訂食品標準成分表より
1952年と2001年調査との比較

  

健康問題は農業問題

 原因は明らかです。かつての有機農法が衰退した結果、土壌から有機物とミネラルがなくなり、栄養のない空っぽの量産されるようになってしまったからです。
 しかしそのことに気づきさえすれば、農業の軌道修正ができるはずです。肥料に微量元素をイオン化させて混入させるなどの施策を行えばいいからです。
 つまり、無機農法にミネラルの助けを加えることで有機農法に近づければ、問題を解決することは可能です。そのためには農林水産省が、肥料製造会社に微量元素を肥料に混ぜるように行政指導をするなどが必要となるでしょう。


 イオン化した微量元素は、雨が降ると流れ去ってしまいます。どのような形で土壌に保持させたらいいか、技術的な問題はあるものの、現在の技術で十分可能ですし、ミネラルがバランスよく含まれた原料となる花崗岩は無尽蔵にありますから、不可能ではありません。
 土壌のミネラル不足は野菜からおいしさを奪っただけでなく、生活習慣病を蔓延させる原因も作り出しています。
 人体は60兆個の細胞によって作られますが、そのひとつひとつの細胞の代謝の働きを促進するのが微量ミネラルです。

 これからの医学を考える上で、もっとも大事なのがミネラル・バランスをどうやって回復したらいいかという課題なのです。

  

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